
エステサロンを存分に活用しよう!
私の父に限ったことではない。
私が見てきた数多くの患者さんにも例外なく当てはまる事実である。
何度も治療を受けた歯ほど早く抜け落ちてしまう。
弱い歯だから、何度もの治療が必要で、しかも寿命が短いのか、それとも治療を繰り返しているから寿命が短くなってしまうのかは、卵とニワトリの議論に似ているが、いずれにせよ、従来の歯科治療がブラックの法則にしたがって歯の寿命を縮めているのは事実であり、治療をした歯のほうが寿命が長いということはきわめて稀である。
それにしても、少な-とも医者と名のつく業界で、こんなことがまかり通るのは歯科だけだろう。
病人を治療するたびに、具合が悪くなっていく治療などというのは聞いたことがない。
外科医が心臓のバイパス手術をしたところ、かえって寿命が短-なってしまったら、それは手術の失敗である。
そんなことをした医者は、誰からも非難されるに違いない。
ところが、歯科医ではそれが日常茶飯事なのだ。
それも、未知の難病というわけではない。
虫歯である。
せめて、「なぜ、治療した歯がまた悪-なってしまうのだろう」と疑問を持つ歯科医がいてもいいのではないか。
だが、ほとんどの歯科医は、大学で教えられたままに、ちょっと黒くなっただけの歯や、痛くもない歯をガリガリと削ることを繰り返している。
「虫歯としてはたいしたことはないが、今のうちに削っておけば、何年か後にこの歯はまた悪くなって、患者はやってくるだろう。
こんなカネヅルを放っておく手はない」もし、こんなことを考えているとしたら確信犯である。
歯科医の大半が、金儲けばかり考えている人間だと思われても仕方ない。
意識的にせよ無意識にせよ、一度来院した患者さんを、ずっと自分の「お客さん」にしようという考えが頭にあってもおかし-ない。
中には、そんなことすら考えずにひたすらガリガリ削っている歯科医もいるかもしれないが、それは単なる無知な医者である。
患者の立場からすれば、どちらの歯医者にもかかりたくない。
痛くて仕方がな忠困を削るならまだしも、痛-もない虫歯を削られてしまって、挙げ句の果てに歯の寿命を短くしたのでは割に合わない。
ブラックの法則はfcQ-(国際歯科連盟)で葬り去られた。
だが、日本ではごく1部の歯科医を除き、いまだにブラックの法則にしがみついて治療を続けている。
なぜ、そんな情けない状態になっているのだろうか。
もし、歯科医の競争が激しくなったら、誰もが腕のいい歯科医のところに行こうとするに決まっている。
そうすれば、大きく歯を削って歯の寿命を縮める歯科医と、なるべく現状を保存して歯を健康に保つ歯科医のどちらに患者が行くかは明白である。
となると、歯科医のほうも患者に来てもらえるように、勉強に励まな-てはならなくなるはずだ。
ところが実際には、どの歯科医もほどほどに患者が来る現状に満足しており、そこから踏み出そうなどという勇気は起こさないのが一般的である。
恥ずかしながら私も以前はその1人だったので、その心理はよく理解できる。
では、歯科医の数は少ないのかというと、けっしてそんなことはない。
町中を見渡してみると、美容院や理髪店の数に劣らないほど歯科医院がある。
厚生省の調べ(1九九六年)によると、全国には五万九三五七の歯科診療所があり、1日当たり約1三〇万人が何らかの治療を受けている。
それだけあって、潰れたという話をあまり聞かないのは不思議である。
潰れるどころか毎年増えつづけ、二〇〇〇年の調べ(概数)では、全国で六万三1四1ヵ所になっている。
美容院や理髪店が多いのはわかる。
髪は自然に伸びるものであり、客は何度もやってきて当然だが、歯科診療所の数が多いのはなぜなのか。
歯科医がいくら多くても成り立っているのは、一つには患者が繰り返し訪れるからである。
もし、一回で完壁に治療できてしまったら、歯科医はあがったりである。
本来ならば、医者と名のつく者は、病気が少なくなって自分たちの大部分が失業するような状態を願って仕事に励んでいるはずなのだが、現実には逆で、仕事を増やす、つまり患者を増やすことに熱心である。
その代表例が「学校検診」で、これは新しい患者を次々に掘り起こすためのシステムとなっている。
「学校検診」によって、まったく歯に痛みを感じない大量の子どもたちが、毎年、虫歯と診断を下され、歯科に行-ように命令されている。
生徒に治療済み証明書の提出を義務づけている学校も多い。
学校も父兄もこれに疑問を感じていないようだが、学校検診というのは、歯科医の営業活動である。
ここで患者を探し出してきて、自分たちのお得意さんになってもらう。
そのためにも、一定の数だけ患者を調達してこなくてはならない。
そうでなくては、予算を立てて検診する意味がないというものである。
というわけで、学校検診というのは、歯科に限らず、初めから「ひっかける」割合が決まっている。
検診で病気を発見するのではなく、検診を受けさせることによって、ある一定の率だけ病気にしてしまう。
これは、職場検診や人間ドックにも共通することである。
検診によって患者数は確保されて、歯科医は潤う。
これで、歯科医は満足してしまい、向上しょうという意欲を失う。
そして、安易に歯を削る歯科医が何の苦労もなく生き残る。
歯科医にとって、こんなに楽なことはない。
当然、誰もが学校医になりたがるが、本人の希望で学校医になれるわけではない。
学校医になるには、地元の歯科医師会の推薦がいる。
一九九七年、学校医の選定に政治が絡んで問題が起こった。
三重県の津歯科医師会が会員の歯科医、約1二〇人に「自民党の党員を集めなければ、学校医に推薦しない」という主旨の文書を出したのである。
日本歯科医師会は自民党を支持しており、二万人の党員と100万人の後援会会員を集めなければならない。
日本歯科医師会は、これを各地方の歯科医師会に分担させている。
自民党党員四人と後援会会員三〇人のノルマが課せられた津歯科医師会は、学校医の選定を利用して、党員集めをしようとした。
だが、会員の歯科医たちから「思想信条を無視した脅しだ」と反発され、文書は撒回された。
歯科医は定収入と信用ほしさに学校医になりたがる。
その私欲を利用して、歯科医師会は政治目的を達成しようとする。
どちらも、何のために学校検診をして、子どもたちの口の中を診ているのかという本来の目的を見失っている。
まさに、学校検診こそが諸悪の根源だと言ってよい。
だから、学校検診で虫歯だと診断を受けても、子どもが痛みを訴えていないかぎり、まず、進行止めを塗って様子をみたほうがいい。
また、小さな虫歯を削ったときは、金属を詰めるのは極力避けるべきである。
「乳歯はどうせ型え替わる」と、粗末に考える親や歯科医が多いが、乳歯の時期は、その後の人生を左右すると言っても過言ではないくらい大切なのである。
以前は、歯科に行くといえば、虫歯か歯周病(歯槽膿漏)の治療と相場が決まっていたが、数年前からは、これに歯石取りが加わった。
歯科に行って、歯石を取ることを勧められた人は多いことだろう。
もちろん、歯石を取ったほうがいいと思っているから勧めているのだろうが、中には善悪など考えず、保険の点数になるという理由だけでやっている歯科医も多い。
だが、歯石は本当に悪者なのだろうか。
テレビのコマーシャルを見ると、歯垢(プラーク)や歯石はつねに悪役である。
放っておくと歯肉炎や歯周病になって取り返しがつかなくなると脅す。
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